今日のプロセスと制御

2023/08/14 Burkert 流体制御システム

正確なマイクロ流体投与は、医療の管理だけでなく、ライフサイエンスやゲノミクスの研究にも不可欠です。 マイクロ流体分注機を開発している OEM にとって、正確なバルブ制御により正確な結果が保証されます。 ただし、最適なバルブ システムを指定するには、材料の適合性からマニホールドの統合までの基準を考慮し、再現性のある精度を確保することが不可欠です。

流体制御のスペシャリストである Bürkert 社のラボおよび医療技術アプリケーションのインダストリー アカウント マネージャーである Troy Stehr 氏が、正確なマイクロ流体制御の要件について説明します。

試薬はライフサイエンスの研究に不可欠であり、結果の測定、検出、検査によって試薬が他の物質とどのように化学反応するかという結果は、医療の開発にとって極めて重要です。 このプロセスには、1μl 以下のマイクロ流体容量での試薬投与の正確で再現可能な制御が不可欠です。 これらと同じ要件が、選択された DNA セグメントを増幅するポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) 技術の実行などのゲノミクスにも当てはまります。 正確で信頼性の高いマイクロ流体投与は、多くの医療用途にとって生命に関わることもあります。

現在では、ピペットの手動操作を機械に置き換えて、より正確で一貫した投与を行うことができます。 自動化は熟練した人間の時間を節約するだけでなく、複数のチャネルの迅速な投与により生産性も向上します。 これらの結果を達成するには、分注機のバルブ制御システムに大きく依存します。

開ループか閉ループか?

通常、必要な投与精度を理解することがバルブ システム仕様の開始点となります。 患者は検査結果に基づいて治療または診断されるため、意図した評価の精度要件によって、機械が提供する必要のある投与精度が決まります。 使用量を最適化することは、一部の非常に高価な試薬や関連物質の使用と廃棄の両方におけるコストを管理するためにも重要です。

多くのマイクロ流体アプリケーションには十分な時間圧力注入により、1% 未満の精度と 2 ～ 5% の再現可能な体積精度が得られます。 この技術では、媒体の流れは、各スイッチング サイクルで定義された時間、バルブの開閉によって制御されます。 空気または不活性ガスを使用して液体リザーバーを加圧し、投与バルブと組み合わせることで、この技術により、一桁の µl (マイクロリットル) の量まで制御された投与が可能になります。

Bürkert の時間圧力投与用マイクロバルブは、1% 未満の高精度バルブ制御を実現するため、約 10μs (マイクロ秒) の制御信号ステップが可能です。 さらに高い精度が必要な場合、ビュルケルトは閉ループバルブ制御も提供します。 これらのシステムにはセンサーが組み込まれており、実際のバルブの状態をフィードバックしてバルブの開閉速度を常に調整できます。 あるいは、時間圧力投与のような開ループ システムは、スイッチング時間に影響を与える可能性のある変更に関係なく、純粋にバルブの入力コマンドに基づいて動作し、結果として実際の投与量に影響を与えます。

μlおよびnlの投与精度

閉ループ システムはコリオリの原理に基づいて動作することが多く、液体を運ぶチューブの振動が流量に比例した出力で測定されます。 この技術により、Bürkert のマスフローコントローラー/メーターは 1ml 未満のレベルでの注入精度を達成できます。 しかし、新しいイノベーションにより、差圧センサーがバルブとともにデバイスに統合され、μl (マイクロリットル) 測定と閉ループ制御精度を備えた市場で入手可能な最初のデバイスとなる予定です。 ビュルケルト社の新しい投与システムの測定と制御は 50nl (ナノリットル) まで下がり、これまでの試験で完了した数百万サイクルにわたって測定された精度は 1% 未満です。

特に複数の試薬や物質が関与する場合、時間の経過とともに制御するために重要なのは、媒体と材料流体ブロックおよびシールの間の適合性です。 メディアの特性に応じて、異なるシール材料が必要になる場合があり、その選択には慎重な検討が必要です。 互換性の問題により、時間の経過とともにシールが膨張して破裂する可能性があり、マイクロ流体工学を扱う場合には、結果として生じる制御上の問題が増幅されます。 Bürkert のシステム内で接液材料となるのは、バルブ本体に使用される PEEK、およびシール材の FFKM または EPDM のみです。